屋根塗装

■厳しい環境にも耐えうる屋根塗装を

屋根は日差しや雨、夜露の影響をまともに受ける、たいへん環境が厳しい箇所です。
外壁に比べて2~3倍の負荷がかかりますので、下地調整をしっかりと行い、耐久性の高い塗料を使うのが良いでしょう。

また、夏場になると屋根の温度は60度~70度になるとも言われます。
お住まいの中でも最大の集熱源である屋根の温度を下げることは、冷房費の節約にも効果的。
遮熱塗料を始め、人気の塗料をご紹介させていただきます。

■塗料選びのポイント

塗料選びは、塗装を成功させるための重要なポイント。
金額が高い塗料ならいいというわけではなく、大事なのはお住まいに合っているかどうかです。
建物の材質やお客様のライフスタイルに合わせて、色選びのご相談に乗らせていただきます。
 ●主な塗料の種類●
・アクリル樹脂塗料  【価格・耐久性
低価格で施工ができるので、費用を抑えたい時や、短期間で塗り替えを行うときにおすすめです。

・ウレタン樹脂塗料  【価格★★・耐久性★★
施工できる材質の幅が広く、コンクリート、鉄部・木部とも相性の良い塗料です。

・シリコン樹脂塗料  【価格★★★・耐久性★★★
紫外線や湿気にも強く、コストパフォーマンスも◎。現在塗装の現場で最も良く使われている塗料です。

・ラジカル制御型ハイブリッド塗料  【価格★★★★・耐久性★★★★
シリコン樹脂塗料よりも耐紫外線、低汚染性機能が優れていて透湿性も高い塗料

・フッ素樹脂塗料  【価格★★★★★・耐久性★★★★★
耐久性が非常に高いのがこの塗料。独自の光沢感があり汚れにも強いため、長期間外壁を保護できます。

・光触媒塗料  【価格★★★★★・耐久性★★★★★
酸化チタンに光(紫外線)があたることにより塗膜表面の水・酸素を活性酸素に変化させ、さまざまな有機物を分解する非常に汚れにくい塗料



屋根の脱気緩衝材と補強・補修材 タスペーサー

■1.縁切りの重要性

・なぜ縁切りは必要なのか
新築時には、屋根材上下かさなり部に隙間があり、雨水の排出、屋根材裏面の通気がある程度できるようになっている。
新築から8年~10年後くらいに、経年劣化を防ぐために塗装改修することが多いが、その場合において、塗料で屋根材上下かさなり部を密着させてしまうことがあり、屋根材の縦突合せ目地部から浸入した雨水が排出できなくなり、屋根材裏面に水分が溜まってしまう。また、屋根材上下水平方向かさなり部からの毛細管現象も発生させてしまう事がある。きちんとした縁切り作業がおこなわれていないと、屋根野地板の腐朽や雨漏りの原因を引き起こす事があります。(下の画像参照)

・「縁切り」作業をおろそかにすると・・・
manu1左の画像のように、屋根材上下かさなり部の塗料でふさがれている箇所を開けてみると、溜まっていた水分が流れ出てくる。(雨降り二日後)
この溜まっていた水分が、屋根下地の腐朽や雨漏りの原因となることが多い。

 

 

・木造住宅の大敵は「水分」 ・・・従来の工法と比べて
・皮スキやカッター等での縁切りでは、塗膜が剥がれてしまう不具合や、屋根材コグチ部が破損し毛細管現象を引き起こす原因になることがあった。
・塗装完了後、翌日の縁切りでは、屋根材裏面に入り込んだ塗料が完全に乾いていない場合が多いため、再びかさなり部が密着してしまうことがある。 使用する塗料または時期や天候によっては、二日後でも縁切りができない場合がある。
・責任施工が厳しくなる中、家カルテ(建物履歴書)、リフォーム瑕疵保険加入等の視点からも、建物躯体に水分が回り不具合が起こらないように施工することが、最も重要となります。

■2.屋根の構造と経年劣化

・実はシンプル、屋根の構造
屋根の構造は、上から屋根材(一次防水)、次に防水シート(二次防水)、野地板と三層構造です。

・屋根の施工手順
manu21. 下地(野地板)を張る。
2. 防水シート(ルーフィング)を張る。
3. 屋根材を下方部から1枚ずつ釘で打付ける。
この打付けた釘の先端が、屋根下地(野地板)を貫通し小屋裏に出てくる。

 

 

・屋根材の経年劣化と不具合
manu31. 塗膜が劣化し防水性が低下する。
2. もっとも多い劣化現象・・・反り、たわみ
3. 緩やかな屋根勾配(3寸以下)での反り、たわ
み現象があると、台風などでかさなり部の隙間
から、雨水が浸入することがある。

 

 

■3.施工方法

・従来の縁切り工法とタスペーサー工法との比較
屋根面積100㎡として 従来の縁切り工法 タスペーサー工法
施工手順 塗装完了後の施工 下塗り後の施工
作業品質 1.塗装完了後、1日、2日後でも、塗料の乾燥状態によっては屋根材が密着してしまうことがある。
2.屋根材コグチ部の破損
3.仕上げた塗膜にキズや
汚れをつけてしまう。
塗装工程中に隙間を確保できる。
作業所要時間と費用 2人工で1日作業になる。
約50,000円~60,000円
約2時間で終了。
約35,000円~40,000円
安全性 1.必要な隙間が確保されず、毛細管現象をひき起こす場合がある。
2.必要な通気性が取れない。
屋根材裏面に浸入した雨水の排出と、その後の適度な
通気性が確保できる。
 

・タスペーサー工法手順
1.下地調整→2.下塗り→3.タスペーサー挿入→4.中塗り~上塗りの手順になります。
(下の図画参照)
名称未設定-2
 

・タスペーサー挿入箇所
1. 屋根材幅(900㎜まで)の場合、両端(左右)15cm位の箇所に、2ヶ所挿入。
2. 屋根材幅(600㎜以下)の場合は、片側(左右どちらか)1ヶ所挿入。
名称未設定-3
 

・手差し挿入困難な箇所では
manu5 2回目の塗替えなどで、屋根材かさなり部が密着している箇所やその他の原因で、挿入しにくい場合は、皮スキ等の工具を使い、隙間を開けて施工してください。

 

 

 

・平板スレート屋根塗替え工事での留意点
1. 屋根材コグチ部に、タスペーサーのストッパーが完全に挿入されていることを確認してから、その後の中塗り、上塗りをおこなってください。
2. 一次防水となる屋根材が傷んでなくても、その屋根材の下地(野地板)が傷んでいて、上からの加重などで、下地が撓み、屋根材にヒビが入る場合がありますのでご注意ください。
3. リフォーム時において、昨今、もっとも重要なことが「いえかるて」建物の履歴書とその工事履歴書を作成し、残しておくことと言われております。現場調査の時点で、可能なかぎり屋根裏(小屋裏)から野地板の状態を把握し、記録した上で、施主様にご提案して頂くことをお奨めします。

■4.安全性について

・実験1 ① 強風時の飛散の有無と毛細管現象
財団法人建材試験センターの送風試験装置を用い、強風時の状況を再現。 風速10m/s~50m/sでのタスペーサー(隙間緩衝材飛散)の有無を確認しました。 送風保持時間は各10分間に設定しました。
名称未設定-4  
送風機出口中心から試験体屋根材までの水平距離は1,000mmに設定。屋根勾配は4/10に保ちました。試験体上部は隙間6~7mmに、下部2~3mmに設定。風速を段階的に変え、目視確認しました。

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【結果】風速50m/sの状況で、スレート板屋根材の一部が上下に激しく振動しましたが、タスペーサーは飛散しませんでした。
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・実験2 過重強度
manu8 左の写真は、11年前の屋根材でのテストですが、つま先、かかと、タスペーサーを挿入した上、両足で乗っても、タスペーサーは破損しませんでした。 タスペーサーを挿入した箇所の真上や周囲に、普通の作業性で、ある程度の加重がかかっても、屋根材が破損しにくいことがわかります。
ただし、野地板がしっかりしていることが前提となります。

 

 

・実験3 相対湿度変化 産学での検証(名古屋工業大学 宮野名誉教授 監修)
弊社の屋上に設置してある実験用木造切妻勾配屋根を対象として実験を実施。 この実験は、「タスペーサー」を利用することにより、野地板での「温度」及び「湿度」の変化を測定する。
※実験期間:2008年10月26日~2009年5月末日までの7か月間 【屋根材施工状況】
名称未設定-8
注意点として・・・実験の目的は、屋根材(一次防水材)の裏面の温度、湿度との変化を測定するのでなく、防水シート(二次防水)材下の野地板(下地材)に対しての、温度、湿度変化が視られるかを検証したものです。
【測定結果】
7か月間を通して、平均3%~8%の相対湿度軽減が確認された。

 

 

■5.タスペーサー(形状・梱包、荷姿等)

・従来の縁切り工法とタスペーサー工法との比較
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